12/10/2024
\元サッカー⚽日本代表監督・現在FC今治(J3)会長 岡田武史さんインタビュー番外編/
「とーりまかし」vol.77(9月号)では、1998年フランス・2010年南アフリカ、2つのワールドカップ⚽で代表を率いた元サッカー日本代表監督岡田武史さんにお話を伺いました。
本日は、本編でお伝えしきれなかった、岡田さんのルーツに迫ります!
🏆「今治での活動の軌跡」
「主体性あるサッカー選手の育成に、しがらみのない今治で取り組む」
しかし当初は何をしても試合に人が来てくれなかったといいます。「有名人が来てちょっと言って帰るだけでは」という街の空気は、ご本人も強く感じていたそう。
ある日、夜中の2時にチーム6人で話していて、「そういえば、誰か今治に友達はいるか?」という話になり、誰にも友達がいないことに岡田さんは気づきます。
「そうか!俺たち『来てください』とばかり言ってきたけど、(自分たちから)行かなきゃいけない!」
それからは、チームで「1週間に友達を5人つくる」と決め、夜の街にも繰り出し、昼間は住民のちょっとした困りごとを手伝う活動もし、とにかく「友達を作る」ことに専念。
すると、「一回見にいったるわ」と訪れてくれる人が出始めたそうです。
「サッカーを見てもらう」活動から、街の「何でも屋」になっていく過程には、地域でできることの醍醐味が詰まっていて、それが岡田さんを惹き付けているように感じられました。
🏆「岡田さんが目指すこと」
インタビューでは「次世代」という言葉が何度も出てきました。「次世代に良いものを残したい」という思いを、岡田さんはずっと昔から持っていたそうです。教育もその一つ。
岡田さんは現在、FC今治高校里山校の学園長として新しい教育にも取り組んでいます。
そして印象的だったのは、「教師も正解を持っていなくてよい」という考え方。
現代のような変化の激しい時代にロールモデルは存在し得ないし、どれだけ理屈で考えても答えは出ないから、主体的に自分で判断してやってみるしかない。
それができる人を育てるために、FC今治高校では教える側も一緒に失敗しながら考えるそうです。
今後、FC今治高校で育った生徒には、本編の後半に登場するさまざまな人が「知り合い」として助け合う社会「共助のコミュニティ」の担い手にもなってほしいと考えています。
一度失敗した人ももう一度立ち上がれるかもしれない、助け合うことで新たな絆ができるかもしれない。それを、共通の目的を持ちやすいスポーツを軸に、ITの力も借りながら、昔よりもう少し大きなサイズで実現できるのではないかと岡田さんは考えていて、その担い手になれるような若者を育てたいというのです。
☑じゃらんリサーチセンター長野研究員より
観光業では「どうしたらもっと来てもらえる?」「もっと楽しんでもらえる?」と、どうしても観光客のことばかりを考えてしまいがちです。
しかし、その先の地域の未来…、観光客でにぎわう地域でどのような人々がどのように暮らしていくのかを考え、デザインする必要があると強く思いました。
岡田さんは本当に魅力的で、ご経歴をも超えるほどの大きな志に驚かされるばかり。
FC今治は現在J2昇格争いの真っただ中。今後の試合結果にも目が離せません。