ののか 熊本県阿蘇郡産山村にある「株式会社ののか」です。
貸コテージの【マチットフィーカ】とランドスケープデザイン、装飾美術、原木椎茸生産、薪生産販売の【ののか】を営んでいます。

08/03/2018

【命の踊り場】

たった一つの命を次の季節に送る為に踊り続けた情熱の残像。

巣の周りには一つとして死骸はありません。命の始末をあの子達は一体何処で終わらせたのでしょうか。

都会では嫌われる存在にも心を寄せるここでの生活はとても静寂で詩的で美しい。正義の反対は悪と誰が決めたのでしょう。正義の反対は別の正義なのにね。

04/03/2018

【春】

春の足音が近づいてきました。昨日、納屋の整理中に見つけた山独活の塩漬け。昨年の春のものです。お正月に食べようと保存していましたがすっかり忘れていました。
早速、塩から戻して硬い皮を剥ぎキンピラに。実はこれ、タラの芽やゼンマイやワラビや蕗の薹など数ある春の味の中で断トツの美味なのです。ただし食べる事が出来るのは秋以降ですが。

地元の人の知恵を引き継ぎながら、12年目の春がいま訪れようとしています。

19/02/2018

【世界は美しい】

簡単には人を寄せ付けない厳しい環境のこの地では、一年に何度か鳥肌が立つ様な景色に出会えます。

今日がその時。もしも神がどこかにいるのなら、自分の人生とこの美しいランドスケープがシンクロしたこの瞬間にいるのかもしれません。

14/02/2018

【春一番】

春一番が吹きました。真冬の白い華を身にまとった樹々たちは春を夢見てもう少し眠り続けるでしょう。
でも、そろそろ道端の雪の下にはフキノトウが芽を出すのを待っている筈です。山の命たちが一斉に眠りから覚める日まであと僅かです。

07/02/2018

【純白の世界】

今年は雪がホント多いですね。そしてとにかく寒いです。夜は連日マイナス10度の世界。でも景色が良い日が続きます。世界は美しい。

07/02/2018

【お知らせ】

 みなさんお久しぶりです。恒例の1ヶ月間のデジタル断食も無事終了することが出来ました。

 何時もはデジタル断食中は何かを製作するのですが、今回は会社を作ってみました。前々からそろそろ会社を持たないとなぁと思っていたので、先日に人生が5周目に突入したのをよい機会に法人設立をいたしました。名称は

株式会社ののか

です。最初に言っておきますが”おのののか”のファンではありませんよ(笑) 当コテージに来ていただいた方は分かると思うのですが我が家は草原の中にあります。この草原が僕に与えてくれたインスピレーションは計り知れなく、この地やここにまつわる四季折々の全ての気配を今でも大切に想っています。ですからこの地に存在する

野の香 野の丘 野の花 野の果 野の家

これら全ての音で共通する「ののか」を会社名にしました。まぁ要はダジャレです(笑)。この草原の土地に出会って早12年。「ののか」の前身であった「FIKA」は2007年9月にこの地でひっそりと始まりいつのまにか10年が経過しました。その間に妻は「クルーズトレイン・ななつ星」で大きな夢を手にしました。犬達は歳をとり三頭のうち二頭が虹の橋を渡りました。さて僕は?あと12年で60歳になってしまう自分を考えて最後の一周ぐらいは本気を出して走ってみようかなと思った次第です。

 5年前より村の有志で設立したNPO法人も今大きく成長しようとしています。自己実現である新しい自分の会社と、社会貢献であるNPOという双子の兄弟を両腕に抱えながら今後とも頑張っていきたいと思います。

 みなさま、今後ともマチットフィーカ共々宜しくお願いいたします。

株式会社ののか 代表取締役 
NPO法人産山守り人の会 理事・事務局長
小川宏明

2018年2月2日の48歳の誕生日に、野の丘にある、野の家で、野の香を胸一杯に満たし、やがて再会するであろう野の花と野の果を夢見て。

21/12/2017

【デジタル断食】

FIKAは本日より春まで毎年恒例のデジタル断食を行います。断食中はSNSやその他アプリなどにはアクセスいたしません。こちらのページはビジネスアカウントですが、相互情報発信ツールとみなしているためデジタル断食対象としています。ご用の方はお手数ですが、FIKAのメールアドレスもしくは直接お電話にてご連絡ください。

それでは皆さま、良い年の瀬と新年を!

04/11/2017

【草原トレッキング第二弾】

本日も秋晴れの中、産山村の北部原野を歩くイベントでガイドをつとめてきました。行程10kmの長丁場ですが、素晴らしい景色に疲れなど何処かに吹き飛びます。本日は「ヒゴタイ公園〜山吹水源〜御湯船温泉」のコースを25名で歩きました。
明日はまた違うコースを案内する予定です。天気も良さそうなので楽しみですねー。

25/10/2017

今日は久しぶりに阿蘇が夕焼けに染まりました。ここに来てもうすぐ12年目。僕はどんどん変わってしまうけれど、阿蘇はいつまでも美しいです。

そろそろくじゅうが色付き始めましたよ。

17/10/2017
焚き火

【焚き火】

 秋が深まるにつけ段々と気温が下がって来ましたね。関東では46年ぶりの寒さのようです。そしてなぜか台風も向かってきております。関東地方のお客様は体調管理にどうぞお気をつけください。

 マチットフィーカでは焚き火コーナーを初秋より新設しております。既にたくさんのお客様にご利用いただきました。美しい炎の揺らめきは人間が何千年もの昔から魂に蓄積してきた原始の記憶です。ご家族ご友人で満天の星の元、ゆらゆらと揺れる炎を囲みながら贅沢な夜を体験してみてください。

 これからの季節は夜の寒さが日に日に厳しくなりますが、ピンと張り詰めた空気の中で焚き火の炎の暖かさを体験するとこれは病みつきになります。そしてついついお酒もお喋りも進んでしまいます。都市部ではなかなか体験できなくなってしまった「火を燃やす」という行為を、マチットフィーカにお泊まりの際に是非ともご体験ください。

 ※薪代(約3時間分):2000円(焚き付け+コンテナ2杯)/ 追加はコンテナ1杯1000円です
 ※強風時および雨天時はご利用出来ません

06/10/2017

【草原トレッキング】

 現在、産山村では来年度からの開催に向けた草原トレッキングのモニターツアーを実施しています。FIKAはコース設置の実務作業やツアーガイドとしても随行しており老体に鞭打ちながら頑張っています。
 まだまだツアー内容としては改善すべき点が多々あるので、役場関係者や地元関係者、外部委託チームと力を合わせてより良いものに仕上げたいと思っています。

 いずれはこのツアーを阿蘇の外輪山全体、更には大分県久住地域まで接続し、阿蘇くじゅう地域全体の観光資源になればなぁと夢見る毎日です。

13/03/2017

【春の足音】

 三月に入り阿蘇くじゅう国立公園一帯の野焼きが始まりました。FIKAの住む集落の原野は産山村でも最北端に位置し、その眺めも絶景の場所です。昨日は国道442号線沿いのアザミ台という場所を焼いたあと、日が暮れてから集落まわりを焼きました。昼は阿蘇涅槃像をバックに燃え盛る炎が。そして夜は炎の向こうに浮かぶ満月が美しく、何とも言えぬ風情です。

 そして来たる20日はFIKAの集落は所有原野を一斉に焼く大野焼です。1日中ジェットシューター(水の入った携帯消火器)を背負いながら野原を駆け巡り、火を放ち火を治めます。今年も事故の無いように終わらせたいものですね。

そして焼かれた原野には黄スミレと桜草が顔を出し始めます。

世界は美しい。

09/12/2016

【季節の移ろい】

 今年は春先よりおかしな天気や気温がずっと続いています。地震や噴火など様々な試練もFIKAを襲いました。それでも時は確実にその針をすすめ、やがてくる明日への確かな礎となります。

 FIKAが村民有志と始めた里山再生の活動は、その何年か後にNPO法人という姿に代わり、そのNPO法人は少しずつ確実に現在も成長しており、熊本地震の影響でいくつかの事業は頓挫しましたが、それにも全くめげることなく飄々と過ごしています。同じ志を持ち、その活動を金や名誉で計るのではなく、他人の笑顔で計るその尊い精神が、こんな僻地ともいえる場所で育まれているのもなかなか感慨深いものです。

先日、村の有志(村議員、後継者の若者たち、村内の事業者や農林畜産者など)と共同で有識者を招き「合併しなかった自治体の将来を考えるシンポジウム」を開催しました。阿蘇郡 産山村は13年前の平成の大合併で単独を選んだ数少ない地方自治体です。この合併劇は一時期 村を分断し、事後も人々の心に少なからず痼りを残しました。誰もが触れたくない傷を、なぜ今頃掘り起こすのか?そんな意見も数多く聞かれました。しかし、昨今の人口減少や経済のグローバル化という熾烈な過当競争、都市発信の山村にはマッチしないナンセンスな論理、取り残される消滅するという強迫観念からの疲弊により、村では村民自身が新しい指針を必要とする時期に差し掛かっていると誰もが感じていました。そしてこれら検証と将来のへのアスペクトを村民自身の手で掴みとるために我々はこの企画を慎重に進めていきました。行政本体としてはこんな伏魔殿な企画には関わりたくないようで、オフィシャルな協力は得られませんでした。しかし行政も所謂村民です。内部には我々に同調してくれる人も少なからずおり、陰ながらサポートも得られました。

 シンポジウムというとただの学術的な見地のパネルディスカッションで終わってしまう可能性が非常に高かったので、今回は村民の意見を十分に反映させるために無記名アンケートをとりました。このアンケートについて初めは運営スタッフの間でもかなり意見が割れ、誰も本音を書かない、無駄だ、時間的に猶予が無いなど否定的な意見も散見されましたが、最終的には実験的にやってみるという結論でまとまり、各スタッフがアンケート回収に日々奔走しました。結果は皆が驚くほどの回収率とその内容の誠実さと論理性の高さでした。感情的な意見は少なく、一人一人が真剣に村を考えていることに運営スタッフはもちろん、シンポジウムの学者達も深く感銘を受けました。

 FIKAがこの村に来て10年。たくさんの人に支えられて来ました。でも主に支えてくれた老人たちは恩返しをする間も無く、皆寿命を終えて年々目の前から去っていきます。葬式のたびに悔しい思いをする僕を支えてくれるのもやはり別の残った地元の人たちでした。

 「あんたはもう余所もんじゃない、よう頑張った」こんな何の気ない、たった一つの言葉が時に人を救います。

必要とされ認められる喜び

 だから世界は美しい

《写真はFIKAよりの紅葉》

15/04/2016

昨日に引き続き熊本および九州全域が大きな地震に揺れています。

昨夜と違い、本日の揺れはFIKAでもかなりの震度であり、おそらく震度6以上はあったとおもいます。

取り敢えずは身体も家もコテージも何とか無事でございます。

ご心配下さった皆様には感謝申し上げます。

06/02/2016

【Hugo】
2016年1月30日早朝にグレイハウンドのヒューゴは虹の橋を渡りました。半年間の介護を経て、最後はちょっぴり苦しんだけれど13歳の大往生です。
ラトビアの大地より生まれ遥々来た犬は、最後は日本の阿蘇の大地に還っていきます。ロレンスに捧げた歌を君にも捧げて、僕の気持ちもこれで区切りをつけましょう。
---------------

永遠に回り続けるかように思えた僕らの大好きなメリーゴーランド
とうとうその動きが止まった13周と少し
巡る季節、ゆっくりゆっくりと僕らを乗せて
でもまばゆい光は徐々に消え、美しい音色も今は聞こえない

たくさんの人とともに回った僕らの青春のメリーゴーランド
楽しく愛らしい犬の木馬は少々疲れたみたい
目を瞑るとまばゆい光が心に蘇る
笑顔、歓声、過ぎてしまった失われた時間

あと一周、いやあと半周でいいから
もう一度木馬の温もりを感じながらフワリフワリと

---------------

おやすみヒューゴ

お前の生きた世界はいつも美しい

01/08/2015

【バカンスの体現】

FIKAがここ産山村にやってきたのはもう10年も前になります。毎日が夏休みのような生活が10年も続く僕の生活。たまにこんなんでいいのかな?なんて思うこともしばしばです。でもよく考えたら人生なんていいとこ70年前後。40代の僕にとっては実質普通に動ける歳月はあと20年ちょっと。つまりあと20回しか季節の移ろいを楽しめないということです。

10年ここで夏休みのような人生を過ごしました。あと20年、合計30年。夏休みのような人生をここで過ごす事が僕の最大の夢です。

そして今日も僕は未来に向かって竿を振ります。

世界は美しい

26/07/2015

【夏です】

なんとも久しぶりのアップとなってしまいました。日常の報告はすべてTwitterで済ませているので、Facebookの存在をすっかり忘れていました(笑)

今年の産山村は冷夏の夏で、雨が多く日照が極端に少ない日々が続いています。せっかくおこし頂いたお客さまにも、FIKAから見える雄大な阿蘇の景色をお見せできなくて残念な日々が続いています。でもいざ晴れると、このような極彩色の景色が私たちを待っています。早く天気が安定するの待ちながら、短い産山村の夏を堪能したいと思います。

皆さまも都会の暑さに辟易したら、どうぞ高原の村「産山村」に涼みにおこし下さいませ。

世界は美しい

15/11/2014

【山のこと】

FIKAはご存じのとおり原木椎茸の路地栽培をしています。原木に使う木は主にクヌギ、ミズナラなどの広葉樹です。FIKAは独自の原木山を所有していませんので、立木を伐る伐採権を他者より買い求め原木を山から伐り出します。

近年、椎茸生産者の高齢化、後継者不足、市場価格の低迷などによりその生産数は年々減少に傾いています。これにより原木山が荒れる事態が少なからず起きています。そしてここで大きな問題となるのが里山の保持育成です。
元来里山は人間が長い歳月をかけて作りだしてきた人工的な植生です。つい100年前までは各家庭の煮炊き、暖房などは全て薪によって賄われていました。しかし文化が変化するうちに次第にそれら燃料は近代的なガス、石油に取って代わられ、次第に世の中の表舞台から姿を消していきました。用の無くなった木々たちは伐られることもなく年々大きく太くなりました。
さてこれは里山特有の事例です。元来里山は定期的に木を伐採し地上部の更新を何十年かのサイクルでしてきました。杉等の針葉樹は地上部の伐採をしてしまうと根まで枯れてしまいますが、広葉樹や照葉樹などの木々はある程度根の部分がしっかりしていれば再度新芽が出て最終的には元通りに再生します。この再生は別の意味で木々の免疫力を再度高め、害虫や病気などから自分たちを守る重要なファクターに実はなっているのです。通常の考え方ですと木を伐ったら禿山になって自然破壊になると思われるかもしれませんが、里山に関してはその逆であるのです。
そして木の更新が行われなくなった里山は地上部の老齢化による免疫力の低下により次々と枯れていくのです。一度ダメになった里山を再度再生するにはそれこそ何百年の時間を必要とします。

人が手を入れてはいけない原生林。そして手を入れるべき里山。いまFIKAは村内の有志と共同で里山の再生事業を始めています。里山の再生はひいてはその下部にある畑、田、川、海に豊穣をもたらします。また獣たちにも健全な餌の供給源となり、わざわざ獣たちが里に降りてこないでも良い環境を作り出します。
筋道を立てた上で木を伐る。それは時に”木を植える行為”と同等の尊さにもなります。

実は我々人間も自然の一翼を担っているのです。

世界は美しい

01/08/2014

【Minute by Minute】

産山村の田舎道をのんびり走っていると前にオンボロのライトバンが走っています。紅葉マークをつけたその車の車内は後ろからのシルエットで運転席は帽子を被ったおじいさんと、助手席は椅子にすっぽりと隠れてしまっているけれどたまに見え隠れるする横顔でおばあさんとわかります。
車は阿蘇の原野の一本道を右に寄ったり左に寄ったりと危なっかしい運転で走り抜けてゆきます。わけもなくブレーキを踏み、路肩ギリギリを走ったりと後ろから見ていても冷や冷やします。怖いから追い抜かそうと思った瞬間あることに気づきました。

今の季節原野にはノリウツギ、ナデシコ、鬼百合、ユウスゲ、オミナエシなどが咲き乱れています。牧野には牛達がのんびりと草を食んでいます。そしておじいさんの運転する車はその花や牛の傍らで必ず路肩に寄り減速するのです。そしてそのたびに隣のおばあさんの嬉しそうな横顔が外を覗き込みます。
なるほどおじいさんはおばあさんに花や牛やこの美しい阿蘇の大自然を見せたいためにあんな運転をしていたのです。
僕は踏みかけたアクセルからそっと足を離し、前の車にプレッシャーを与えない距離まで減速しました。幸運にも僕の後ろには車は一台もいません。そして僕も一緒に阿蘇の自然を見ながら走る事にしました。

車窓から流れる景色からは色々な匂いがしてきます。たくさんの花々が緑に映え、仔牛を囲みながら原野を移動してゆく牛達が見えます。
おじいさんとおばあさんの横顔が嬉しそうに見つめ合い車はのんびりと阿蘇の原野を走ります

豊かな大地、豊かな心、豊かな人生。
ゆらゆらと共に歩く大切な時間。
いつまでもお幸せに。

世界は美しい

(写真はイメージです)

03/06/2014

【産山紅茶】

春も終わりに近づきFIKAの「釜炒り茶」作りの季節がやってきました。

産山村に来る以前は食品加工は全くの未経験で、ましてお茶などは買うものであって自分で作るものではないと思っていました。しかしお茶の木を頂き集落の人達と一緒に製茶をするにつけ、食品の加工についてのイロハを学び、独自に勉強する機会も年々増えました。
味噌、漬け物、製茶、乾物など暮らしの中で必要不可欠な加工品を作る技術はこの田舎でさえ親から子へと充分に伝承されていません。一昔前は各家庭で作り、その家独特の風味や味があったもの達が無くなる。味の多様性が無くなることは文化の縮小にも繋がる悲しい流れなのかもしれません。

今年FIKAでは釜炒り製茶の他に「紅茶」の製茶にチャレンジしてみました。日本茶と違い「発酵」の工程があるので全くの未知の世界でした。

・まずは茶の葉を選別してなるべく良い葉を選り分けました。それらを網に広げて「萎凋」という葉の水分を飛ばす作業をします。FIKAは一晩風通しの良い日陰に広げておきました。
・次に揉みの工程です。釜炒り茶の場合は揉みの前にすでに炒ってしまうのでここで大きく作業が分かれます。萎凋させた生葉の繊維を壊し中の汁を出して発酵しやすくすために揉みを入れます。この工程で7~8割の発酵が起きるようですが、生葉の揉みになれていないFIKAは少し揉みが少なかったようで、後でこれが大いにお茶の出来上がりに影響してしまいました。
・揉んで塊になった茶葉を解して空気に触れさせ酸化させる。これを何度も繰り返し十分に葉が潰れたら次は発酵の工程に移ります。この時点で手はお茶のタンニンで真っ赤に染まっています。
・発酵機など無いため即席で発酵場をつくり上げます。まずは濡れたキッチンペーパーで小分けにした茶葉を包み、それを口を少し開けたジップロックに入れます。湿度が90~100%の状態を保ち、なおかつ20~25度の温度をキープします。当日は晴れていた為外気温が25度ぐらいでしたので木の木漏れ日の下に置いて温度をキープしました。
・1時間おきに中身をチェックして全体の8割ぐらいが赤く発酵したら取り出します。この日はその状態になるまでに約5時間ぐらいかかりましたが、発酵機などに入れた場合には2~3時間で発酵完了するみたいです。茶葉は発酵熱でほんのり温かくなっていました。ちなみに発酵させすぎるとエグ味や香りが飛ぶため注意が必要とのことでです。
・最後に発酵を止めるために熱を加えます。通常ですと乾燥機に入れてここで熱を加えるみたいですが、茶葉が少なかったので敢えて乾燥機(椎茸用の業務用乾燥機がFIKAにはあります)ではなくてフライパンで弱火で焙煎しながら水気を抜く事にしました。焦がすと全体に臭いが移ってしまうので定期的にザルにあけて細かい粉茶の部分を振い落しながら弱火で焙煎し続けます。水気が抜けるにしたがって色も黒くなりだし香りも紅茶の香りがしてきました。
・一度茶葉をさまし、未発酵の葉や茎、ゴミを丁寧に取り除き、葉の部分をある程度小さく刻む作業をします。そして出来上がったものを再度弱火で焙煎して出来上がりです。

飲み味はサッパリした味で香りも紅茶独特の匂いがします。ただし茶葉の影響なのか発酵の少なさなのか紅茶独特の渋みが足りないような気がします。香りももっと立つにはどうしたらよいか思案中ですが、普通のお茶の葉から紅茶が出来る証明にはなったのでとりあえず成功としておきます。
夏の2番茶葉はいつも放置していましたが、今年は茶摘みをして紅茶をつくる研究をしてみたいと思います。みなさんも機会があればチャレンジしてみてくださいね。

16/05/2014

【山野草の季節】

原野や川筋にたくさんの山野草が咲く季節となったFIKAです。

写真は”翁草”の種子の写真です。翁草は昨今数が減少している野草の一つです。南向きで乾いた条件の固い赤土もしくは岩がゴロゴロしているような痩せた場所を好みます。そのような過酷な条件を好むため根は深く地中に入り込みます。もちろん採取しようとしても大事な根を途中で切る事になるだけです。移植は無謀でこの美しい花をただ枯らすだけの愚かな行為です。

珍しい山野草が多いFIKA周辺には毎年たくさんの愛好家が訪れます。しかしスコップを片手に持った自称愛好家達が山野草を盗掘している悲しい姿も随時見受けられます。

次の世代のためにいつまでもこの景観を守りたいものですね。

「野の花は野に」

そして世界は美しい

19/03/2014

【野焼き】

1000年以上もの間おこなわれ続けている阿蘇の野焼き。原野の森林化を防ぎ、採草地や放牧地の確保と害虫の駆除を併せ持つ伝統行事が始まりました。

定期的な放牧や野焼きによる適度な草丈の草原には様々な草花が共生し繁茂します。そこには乾燥を好むもの湿潤を好むもの達がそれぞれのエリヤを分かち合い持続的な植生を維持します。例えば撫子や女郎花、鬼百合などの比較的背の高い野草はススキに負けないように原野から顔を覗かせます。それと同時に隣接するそのススキに寄りかかり原野に吹きすさぶ風に折られぬようにその身を守ります。

健全に繁茂した草花や隣接する森林を依り代にして鳥たちやネズミ、ウサギ、蛇、狐、狸、猪などが巣をつくり、それらの小宇宙で食物連鎖が行われて豊かな生態系を現在でも維持しています。

人が維持を任された植生。原野や里山などへの定期的な人間の介入は、この大自然をより濃厚にする一つのエッセンスなのです。

つまるところ我々も自然の一部ということを忘れてはいけないのでしょうね。

世界は美しい

14/03/2014

【春の兆し】

久しぶりの更新となります。

12月の頭に看板犬であるイングリッシュセターが突然倒れ、首より下が不随となり看病に明け暮れる日々を過ごしておりました。おかげさまでかなり回復し、自力で散歩が出来るまでになりました。

そして長い長ーいFIKAの冬が今終わろうとしています。今年は例年に無いドカ雪に悩まされた冬でした。日本各地を襲った2月の降雪はここ産山村にも60cmの雪を降らせ、また通年よりも気温が比較的高いため表面が硬く凍る根雪となり僕らを悩ませる雪となりました。

しかしそろそろ三寒四温が始まり、山には虫や花たちが顔を覗かせ始めています。

3月21日の大野焼を皮切りに本格的な春が訪れます。今シーズンも皆さまのご来場こころよりお待ちしております。

09/11/2013

【原木椎茸 ~ げんぼくしいたけ】

秋菇椎茸の収穫が最盛期になってきました。一日おきに朝7時から午前中はみっちりと収穫&乾燥作業が続きます。午後はクヌギ山に入り次年度の原木作りの前作業やコテージのお客様のお出迎えです。夜はデザインワークや椎茸のパッケージ作業が待っています。

一次産業、二次産業、三次産業、すべてを手掛けるFIKAの今年最後の忙しい季節が始まりました。

30/10/2013

【美術報天 ~ びじゅつほうてん】

美術報天というキャッチフレーズはFIKAが勝手に作った造語です。美術とは従来の意味の「美術」とは少しニュアンスが違い、どちらかというと「きちんとした作業」や「周りに配慮した行動」や「美しく丁寧な仕事」といったほうがピンときます。報天はその字の通り「天に報(むく)いる」という意味です。

農業であれサービス業であれデザインなどの美術芸術であれどれも結果が「作品」や「商品」となります。しかしFIKAはこの結果のみならず、そこに行くまでの「きっかけ」や「途中の経過」なども大切にする事を日頃から意識しています。丁寧な仕事をし、周りに配慮し、かつ自分の理想を突き進む。そしてこれらの曇りなき美しい仕事は、結果的に「天」という「大自然」に生かされる我々が少しでもその恩に報いる行為に繋がるとFIKAは固く信じているのです。

ゆっくり密やかに真っ直ぐ歩く人生を

04/10/2013

【萱 ~ かや】

FIKA周辺のススキの穂が夕日に輝く季節になりました。春の野焼き後の「黒色」、夏草の「緑色」、そして現在風景は「白銀色」に変貌し、やがて長い長い冬の「白色」へと誘います。

毎日の景色を美しいと思う生活を始めてから丸7年が経とうとしています。いつまでもこの美しい風景と共に居たいものです。

椎茸も秋菇のシーズンを迎えます。林内の原木も新たに2千本追加し、計10万個となりました。朝から晩まで椎茸の作業の日々が訪れようとしています。豊饒の秋となるように祈る日々です。


【※】MatittoFikaは土曜日の空室が少なくなりつつあります。ご検討の皆様方には土日の空きが無く大変ご迷惑をおかけしております。平日などはまだ空きがございますので、ご都合のつく方はご予約を宜しくお願い申し上げます。

16/08/2013

【暁 ~ あかつき】

古来、夜明け前の「未明」の一歩先の状態を指す「暁の時」に外に出ると満天の星空。
梟の声が森に響き渡り、太古に生まれた輝きがFIKAに降り注ぎます。

僕が生まれる前から、そして死んだ後にも永遠に輝き続ける星々を見ながら真夜中の一杯のコーヒーを楽しむのも、これまた一つの哲学です。

06/08/2013

【干し草刈り】

久しぶりの更新です。FIKA周辺は今年の夏はあまり暑くもなく、毎日快適な日を過ごしています。
夏の野の花も咲き乱れて原野には美しい景色が広がっています。
コテージもおかげさまで8月は満室となり忙しい日々が続いています。

先日、仕事の合間の日に集落の干し草刈りを手伝いました。牛の冬の餌である牧草を刈り、ロールにする作業をします。FIKAが操るのはレーキというアタッチメントをつけたトラクターです。これは刈った牧草を一列に寄せる機械です。
集落の原野120ヘクタールの採草地をこれら大型機械に乗って縦横無尽に走り回ります。

作業中にずっと鷹の家族がFIKAのまわりで遊んでいたのがとても不思議な眺めでした。

27/06/2013

【蛍 ~ ホタル】

ここ産山村にもようやく蛍が舞い始めました。
FIKAから車で5分の場所にある池山水源では午後八時をまわると幻想的な風景が広がります。水源一面に舞う蛍。同じタイミングでまるで呼吸するかのように点滅する光。

まるでクリスマスツリーのように光る天然のイルミネーションです。

25/06/2013

【十六夜 ~ イザヨイ】

猶予う(いざよう)が語源の陰暦16日の夜の月。
猶予うとは「ためらう」という意味。いさよう様に空に現れる月の姿に「宵」という言葉を掛けて「十六夜」を「いざ宵」と読ませる上代の人たちの感性に脱帽です。

11/06/2013

【山紫陽花 ~ ヤマアジサイ】

山紫陽花が咲く季節になりました。これは西洋紫陽花の原種である額紫陽花の仲間(亜種)です。

写真の紫陽花は先に萼(写真の青い花のような部分)が青くなり真ん中の両性花がもう少しすると同じ青色に変化してゆきます。
他にも最初は萼の色が白で段々と赤色に変化してゆく種類の山紫陽花もありますが、まだ咲いていません。

普通の西洋紫陽花と違って地味な紫陽花ですが、とても可憐で見ていて飽きない花です。

他にも現在は空木(ウツギ)や山法師(ヤマボウシ)なんかも満開になっています。

08/06/2013

【白糸草 ~ シライトソウ】

山野草の白糸草が咲き始めました。日当たりの良い草丈の短い草原や山林に自生します。
牛を放牧する草原の縮小でススキの草丈が伸びすぎるため、近年減少傾向にある山野草です。

これからの季節はFIKA周辺は山野草の宝庫となります。同時に心無い盗掘者達との戦いの季節にもなります。

「野の花は野に」

07/06/2013

【釜炒り茶】

FIKAのお茶は自分たちで摘み取り製茶しているものです。阿蘇に来て近所の農家の方のご厚意でお茶の葉を採らせてもらい、一緒に製茶して今の時期に一年分のお茶を作ります。
通常の日本茶は蒸してその発酵を止めますが、FIKAのお茶は釜で茶葉を炒って発酵を止めます。昔は九州や西日本では一般的だった製法ですが、だんだんと蒸す方法に取って代わられました。今では釜炒り茶を製造している所はそんなに多くないと思います。

飲み口は釜で炒っているために香ばしく、色は少し黄色に近い色です。緑色のお茶に慣れていると出がらしの様なお茶の色ですが、飲めばその味の違いは歴然としています。

FIKAでこのお茶をお出しすると田舎出身の60歳代以上の方々は非常に懐かしい味がすると言われます。みなさんご自身のお母さんを思い出すそうです。
「母親やおばあちゃんが釜で炒って作ってくれたお茶はこういう味がした。とても懐かしい」
とみなさん仰られます。

便利さと共に失う何か。

FIKAはそんな不便で不格好なもの達をとてもとても愛しています。

29/05/2013

【エゴノ木】

匂い立つような甘い香りを放ちながら頭を垂れて咲くエゴの花。
初夏の足音が聞こえだしました。

長い梅雨のトンネルを抜けると、湧き立つ雲とどこまでも続く青空が待っています。

ヒグラシが鳴いて梅雨が明けるまでの木々や草花の育成の束の間です。

21/05/2013

【椎茸の原木の伏せ込み】

今日は山に入って椎茸の原木を本伏せしました。

菌がよく回るように一か所に寄せいていた原木を写真の様に組んでいきます。梅雨前にしないと原木が蒸れて腐ってしまうので、梅雨入り前の今がチャンスです。

今年はいつもとは違う種類の椎茸菌を打ってみました。来年の秋が楽しみです。

19/05/2013

山が新緑に包まれています。カッコウやホトトギスも鳴きはじめました。

小さなの命達が踊り続ける、FIKAの短くて美しい季節です。

13/05/2013

ゴールデンウィークの余波も収まりコテージはこれから一週間暇な日が続きますが、椎茸山の山仕舞いや敷地内の草刈り、梅雨に向けた諸々の準備を済ませなければなりません。

この一年でも指折りの最高の季節。出来れば木陰でビールを飲みながら好きな本を読んで、飽きたらそよ風の中で昼寝をするのが今の最大のFIKAの望みです(笑)。

29/04/2013

【皐月】

MatittoFikaはおかげさまでゴールデンウィーク期間中の全てにご予約を頂きました。

5月は気候も良く、比較的天気も安定しているため人気の季節です。
是非皆さまもおこし下さい!

http://fikadeco.com/matittofika/reservation?ym=2013-5

17/04/2013

朝方までの土砂降りも午後になると嘘のように晴れわたりました。午後は山に入りゼンマイ採りに。久しぶりの里山はとても清々しく気持ちのいいものでした。ついでにタラの芽もとって今日の夕食はは天ぷらです。

16/04/2013

【タラの芽】

春は山菜が美味しい季節でもあります。

蕨(ワラビ)、薇(ゼンマイ)、屈(コゴミ)、独活(ウド)、針桐(ハリギリ)・・・etc

みなさんも春の命を体に入れて元気になりましょう。

住所

産山村田尻771-111
Minamioguni-machi Aso-gun, Nagano
869-2704

一般情報

管理者:Hiroaki Ogawa

営業時間

月曜日 15:00 - 11:00
火曜日 15:00 - 11:00
水曜日 15:00 - 11:00
木曜日 15:00 - 11:00
金曜日 15:00 - 11:00
土曜日 15:00 - 11:00
日曜日 15:00 - 11:00

電話番号

090-2857-9722

ウェブサイト

製品

美術報天

アラート

ののかがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

事業に問い合わせをする

ののかにメッセージを送信:

共有する

カテゴリー


別荘レンタルのその他Minamioguni-machi Aso-gun

すべて表示